過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第28章 ナナシの余命
「まぁ、そんな訳だからあと一ヶ月よろしく頼む。
死ぬまでの間に出来るだけ調査兵団に貢献出来るよう努力するから・・・」
「・・・・よりも」
止まっていたエルヴィンがボソリと何か言ったので、
ナナシは「ん?」と首を傾げる。
「そんな事よりも俺に貢献してくれ、ナナシ!!
先程のは俺個人のプロポーズなんだっ!」
ガバっと襲い掛かってきたエルヴィンにナナシはつい条件反射で
反撃に転じて投げ飛ばしてしまった。
宙を舞ったエルヴィンはドアを突き破り廊下に投げ出されたが、
不屈の精神ですぐ起き上がりナナシに詰め寄った。
「何故だっ!?何故いつも俺の心を弄ぶんだっ!?
君は俺の事が嫌いなのかっ!?」
「・・・嫌いじゃないが・・・・」
頬を染めるナナシは大変可愛らしいが、今日という今日は
そんな事で騙されないぞ!とエルヴィンは攻勢をかける。
「嫌いじゃないが、何だ!?はっきり言いなさいっ!」
「・・・・・・・・個人的な想いには応えられない」
「よし!その理由はベッドの中で聞こう!来なさい!」
「い、嫌だ!」
突然始まった痴話喧嘩によって室内の時間は動き出した。
リヴァイ達は「また始まった」と呆れ、今までのシリアスモードは
何だったのかと遠い目をする。