• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第28章 ナナシの余命














兵士を解散させたエルヴィン達はジャックを伴い
執務室へ来ていた。

ジャックをソファに座らせ、対面する形で
エルヴィンも座ると早速本題に入った。


「私が聞きたい事はナナシの余命だ。ヒモロギは
余命一ヶ月と言っていたが、それは真実なのか?」


その場にいたリヴァイとミケは目を見開いて驚いた。

最近調子が悪そうだとは思っていたが
そんな事になっているなどと思わなかったからだ。


そこでリヴァイは漸くジェリーが去り際吐いた言葉の意味を理解し、
奥歯を噛み締めた。



―――残り少ない時間っていうのは、そういう意味かよ・・・っ!



舌打ちするリヴァイを尻目に、ジャックは「そうです」と
淡々と肯定した。


「スミス様と再会された半年前には一年あった寿命が、
度重なる無理を押したせいで残り一ヶ月程となっています。
それはナナシ様も薄々気付いており、皆様に気づかれないように
元気そうに振舞っていたようでしたが・・・・
ヒモロギのせいでそれも水の泡となってしまったようですね」


お可哀想に・・・と眉を寄せるジャックに、
エルヴィンは自分を落ち着かせるように大きく息を吐いた後、尋ねた。


「延命の手段は・・・?」

「残念ながらございません」

「本当に何も無いのか?君達はナナシの従者なのだろう?
それくらい調べていても・・・」


らしくなく、八つ当たりのような言葉を発したエルヴィンは後悔する。

冷静に考えてみれば、『ナナシ命』を掲げているような彼らが
「無い」と言っているのだから、本当に方法は無いのだろう。

ナナシが近くにいる事に浮かれ、彼の不調に気付きながらも
甘えていた自分が恥ずかしく思えた。







/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp