過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第25章 酒盛り
「私とナナシは相思相愛の仲だ。これは紛れもない事実で
妄言などではない」
「・・・あー・・・もう百歩でも千歩でも譲ってそれで良いけどさぁ~
・・・エルヴィン、よく考えてね?ナナシはエルヴィンに
恋人らしい事を望んでいる?望んでないでしょ?
しかも貴方はナナシの家族(?)を蔑ろにしようとしている。
ナナシはそういうの嫌いだからね?嫌われちゃうよ!?
良いの!?」
「それは困るな。私はナナシに嫌われたくはない」
「でしょー?だから、ツクモって兄さんをボコるのは取り敢えず
止めときなって。ついでにナナシにエルヴィンの欲望を押し付けるのも・・・・」
「わかった・・・。ツクモは顔面にワンパンで我慢しよう。
ナナシとの挙式や夜の営みについては今後よく話し合うという方向で・・・・」
―――こいつ全っ然わかってねぇ!!!
まさかここまで話が通じないとは思わなかったと、
ハンジは天を仰いで匙を投げた。
リヴァイとミケも、もうやってられるかと言わんばかりに
酒をがぶ飲みし、話を聞いていたナナシは顔面蒼白になりながら箸を止めた。
「・・・暴力的な男は嫌いだ」
「大丈夫だ。君と私なら話せば分かり合える」
一生分かり合えない気がするのは自分だけだろうか?と
ナナシは遠い目をしながら、今後の生活について不安を覚えた。