過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第22章 許せないのは・・・
「能力が使えず傷ついた君を慰めたかった。
リヴァイではなくこの俺がだ。それが出来なかった俺に
兎や角言う資格はないとわかればわかるほど感情が暴走しそうになる」
「エルヴィン・・・・」
ナナシはエルヴィンの背中にそっと手を回し、
彼がどれだけ傷ついているか実感する。
どうすれば彼に贖罪出来るだろうか?
そうナナシが考えていると、その心情を察したのか・・・
エルヴィンが
「あともう少し・・・もう少しだけこういさせてくれ。
そうすればいつもの俺に戻るから」
と告げた。
日増しに愛おしくなるエルヴィンの言葉に、
ナナシが断る理由もなくそれを許す。
予定時刻まで二人は共に横になり静かな時を過ごした。