過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第22章 許せないのは・・・
明日の進軍予定などの話し合いを終えたエルヴィンは
足早に古城の廊下を歩いていた。
ナナシが心配でずっと寄り添っていたかったが、
団長という立場上そんな事が出来るはずもなく、
逸る気持ちを必死に抑えながら先を急いだ。
そしてナナシに宛てがった部屋まであと少しという所で、
部屋から出てきたリヴァイを目撃し絶句した。
身嗜みを整えている様子から何があったか察したエルヴィンは、
努めて冷静さを作りリヴァイへ歩み寄る。
リヴァイはエルヴィンの姿を認めると何事もなかったかのように、
向き直った。
「・・・ナナシの様子は?」
「たった今眠った所だ。かなり混乱した状態だった」
「そうか・・・」
「あぁ・・・・」
「どうやってその混乱を鎮めた?」
「・・・・・・・・・」
リヴァイが僅かに逡巡した様子を見せたことに
エルヴィンは苛立ちを覚える。