過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第3章 不運な男
「・・・すまなかった、エルヴィン。動きたくても動けなくて
歯痒い思いをしているのはおまえだというのに・・・・」
ナイルが素直にそう謝罪すると、エルヴィンは静かに首を横に振った。
「いや・・・おまえが謝る必要はない。
これは俺が何とかしなければならない問題なんだ」
「エルヴィン・・・・・」
じーん、とナイルが感動していると、
「・・・という事で」と今までの殊勝な態度を
かなぐり捨てたエルヴィンがニッコリ笑いながら、告げた。
「ナナシがおまえに何を頼んだか、私に教えてくれるよな?
おまえの持っているその茶封筒が調べ物の成果なんだろう?」
「・・・・・・・・・」
騙されたっ!?
俺今エルヴィンの演技に騙されたのかっ!?
そう思うくらいナイルの感動をすっ飛ばしてくれたエルヴィンの目は
相変わらず笑ってない。
ナイルは反射的に持っていた茶封筒を背中に隠した。