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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第16章 襲われる











無表情を顔に貼り付け、怯えた様子を見せないナナシが
面白くなかったのだろうか・・・
一人の兵士がナナシの髪を掴み上げ頬を殴った。


「・・・・・ぅくっ!」


鍛えられた兵士の拳は思った以上に重く、
痛みに声が漏れるが猿轡をされているので声量は然程出ない。


「おまえみたいなチビに教えを請うなんざ反吐が出るくらい
ムカついてたんだ。頼むからもっと怯えて俺達を楽しませてくれよ」

「随分団長に目を掛けてもらってたみたいだが、
それが仇となったな。女共が嫉妬して俺達に
この話を持ち掛けてきたんだぜ?人望ねぇな、おチビちゃん」


あぁ、そうか・・・・。
女達のやっかみもあったのか。
なら仕方ないか。
あのエルヴィンに特別扱いされている小男がいれば、
誰だって面白くないだろう・・・。



殴られてもナナシの頭は怯える事無く酷く冷静だった。


「こいつ殴られても顔色一つ変えねぇぞ。本当に人形みたいだな」

「あまり殴るなよ。こいつ女より肌が白くて綺麗なんだから
勿体無いだろ?」

「用が済んだら売っ払うんだろ?」

「あぁ、ぐちゃぐちゃになるまでヤったら、
団長達の目の届かない所にやれって言ってたからな。
もう業者には話をつけてある」


エルヴィン達の知らない間に、エルヴィン達の目の届かない所に売られれば、
彼はもう自分を追ってこないだろうか?

ぼんやりそんな事を考えていたら、
立体機動のベルトが次々ナイフで引き千切られた。


普段ならこんな事されれば抵抗しまくって相手をボコるのに、
今のナナシに抵抗する気力がわかず、
全てのベルトが外されるのを黙って見つめていた。






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