過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第14章 筋肉ゴリラ共・・・
「――――おまえは何故ここにいるんだ?ミケ」
「・・・・自己嫌悪と反省を込めて、ここにいる」
股間を思い切り蹴られたミケは一旦医務室に運ばれたが、
回復すると自ら地下牢に赴きエルヴィンの隣の牢屋へ入った。
回復と言っても「歩ける程度に回復した」というだけで、
医者からは首を横に振られ一週間程用を足す時痛みと
血が出るだろうと薬を処方され同情されてしまった。
今更ながらナナシに手を出した者の末路を思い知ったミケだった。
地下牢のベッドで股間の痛みに耐えながら蹲っていると、
荒々しい足音と共に怒りの形相でリヴァイ、ハンジ、ナナバがやってきた。
三人はエルヴィンに目もくれず、
ミケの牢屋をガンガン蹴って声を荒らげた。
「ちょっと、ミケ!どういう事なのっ!?」
「てめぇ、よくもナナシの股間を握りつぶそうとしやがったなっ!?」
「何だとっ!?ミケ!!私の可愛いナナシのどんぐりを
握り潰そうとしたのかっ!?」
ハンジとリヴァイの言葉を聞いたエルヴィンが眼の色を変えて、
鉄格子を握り脱獄しそうな勢いでミケを睨みつける。
久々に見るエルヴィンの仄暗い瞳孔の開いた眼はかなり恐い。
ミケは牢屋の隅まで後退し「反省している」と四人に弁明したが、
四人の怒りは治まらなかった。