過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第13章 一生許さないで
「関係無い?そうかもしれない。だが、そう言われるのは
正直不愉快だ」
そう言ったと同時にミケはナナシの足を払い、
地面に押し倒す態勢に持ち込んだ。
以前模擬戦で学んだナナシ用の対策で、
腕と足を動けなくしてしまえば体格に勝るミケに分がある。
「ミケっ!?何を・・・っ!?」
「こういう事はしたくなかったが、少し我慢してくれ」
ミケはナナシの下半身に手を這わせると、
男のイチモツがある部分をギュッと握り込んだ。
あまりの痛さにナナシは声にならない悲鳴を上げる。
握り込んだミケはエルヴィンが言っていた通り、
そこに男のイチモツが存在していた事に内心驚きながら、
ナナシへの尋問を始めた。
「すまない・・・。だが一ヶ月前のように訳も分からず
拒絶されるのはもう御免なんだ。おまえはもう調査兵団には
無くてはならない存在だからな。俺達を避ける理由を話してくれ、ナナシ」
生理的に自然に出てくる涙を流しながら必死に痛みに耐えていたが、
ミケの手に力が徐々に籠められていき我慢が出来ない程の
激痛に変わっていく。
「・・・い、・・いぁ・・・っ!!」
「なら話せ。このままだと本気でここを潰すぞ」
ミケの真剣な声色から本気が窺え、
ナナシは仕方なく風を使う特殊能力を発動させる。
パァン!と風を破裂させ衝撃波を発生させると、
巨体であるミケの身体が後方に吹っ飛んだ。
同時にミケの脳が揺さぶられ脳震盪状態になり、
地面に倒れ込んでグラグラする頭を抱えていると、
冷酷な目でミケを見下すナナシが目の前に立った。
その目で見てミケはゾクリと恐怖を感じたが、
もう後の祭りである。
―――ナナシは容赦無く、ミケの股間を蹴り潰した。