過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第12章 心の天秤
ナナシの眷属である三人から情報を得た事を聞いたナナシは、
暫し呆然とした。
まさか『紳士』のジャック、『ゴロツキ』のジェリー、
『天然』のイサザがそのような行動に出るとは思わなかったからだ。
そんなナナシを見ていたリヴァイが、
その三人を弁護するように言った。
「おまえには・・・裏切ったように思えちまうかもしれねぇが、
あいつら三人は本気でおまえの事を心配していた。
だから、おまえを俺達に託してくれた。俺がこういうのもお門違いだが、
あいつらを悪く思わないでやってほしい」
「・・・・あぁ、わかっておる。あやつらは
私を裏切ったりするような奴らではない。
少し・・・驚いただけだ」
リヴァイに言った言葉は本当だ。
彼らは何の考えも無しに、ナナシの意志に反するような事を
する奴らじゃない。
深い考えがあってやった事なのだと思えるくらいには
信用ある眷属達だ。