第6章 【ライバル編】
「あらあら・・・まったく、玲音ったら、仕方がないわね・・・、ほら、璃音、英二くん、二年参りに行くんでしょ?、そろそろ出ないと・・・」
「あ、そだね、璃音、行こ?、帰りは夜中になるけどさ、きちんと送り届けるから、安心してよん、お母さん!」
あー!!えーじ!!
今、おかーさんのこと、おかーさんっていった!!
おかーさんは、おれとりおんのおかーさんだぞ!
おまえのおかーさんじゃないんだぞ!!
「うふふ、お父さん、英二くんったら私のこと『お母さん』だって!」
・・・おかーさんはぜんぜん駄目だ・・・
おとーさん!、ここはおとーさんがガツンと言ってやってよ!
・・・って、おとーさんもえーじに「娘をよろしく」なんて言ってるし!
そこは「どこのうまのほねともわからんやつに大事な娘はやらん!」って決まってるじゃん!
「うわーーーん、りおんーーー、おれも連れてってーーー!!」
「ほら、玲音はお父さんとお母さんとお留守番、お姉ちゃんと英二くんに『行ってらっしゃい』しましょうね?」
お母さんに抱えられながら、りおんと手を繋いで出かけるえーじの背中を睨みつけ、おれはますます決意した。
やっぱり、おれがしっかりしなきゃ駄目なんだ!
おれがりおんを守るんだ!
おとーさんもおかーさんもあの笑顔に騙されているんだ!
えーじなんか大っ嫌いだ!
こうして、新年もおれとえーじの戦いは続くのだった・・・