第35章 大切なモノ
次の日、私が無事に退院する事ができて
会計を済ましている時に
彼がニコニコしながら待合室にやって来た
安田「間に合って良かったわぁ」
「安田さん、どうしたんですか?」
私がソファーに座りながら驚いて見ていると
彼の横に座りながら
安田「やて、俺はゆめちゃんの大事なモノを
預かってるし」
そう言うと笑った
その時に私の名前が呼ばれて
私が会計を済ますと
彼は私の持ってる荷物を取ると先に歩き出した
まだ私の体調を気遣ってるのか
ゆっくりと歩いていた
そして駐車場で彼の車の前に来ると
彼はドアを開け
自分の身体を避けて中を見せてくれました
「あっ」
車の中に
私の作品が大切に置かれていたのだった
安田「一応さ、大切に乗せたからさ
傷一つ付いてないと思うんやけど」
彼は心配そうに私に言った
私はまだ出来上がってない作品にそっと触れた
「あ、ありがとうございます」
安田「ゆめちゃんの大切な夢やもん
俺が守るんは当たり前やし」
「安田さん.....」
私の目から涙が溢れそうになっていた
そんな私を彼は気が付いたのか
助手席のドアを開けると
手を中に差し出して言った
安田「家まで送って行くよ、乗って」
私は素直に彼の好意を受ける事にし
助手席に座りました
私の後ろの席には私の大切な夢が幸せそうに
輝いていました
私は、彼の優しさを本当に嬉しく感じていました
どこまでも優しい彼に私の心は痛みを超えて
幸せの色に変わっていたのでした