第32章 夢への切符
私は、二週間に一度の絵画教室で
教える仕事が終わって
子供たちを帰した後に
一人で片づけをしながら筆を洗っていた
すると、教室を開いてる先生が
声を掛けてきたのだ
「いつも、遅くまですまないね」
「いえ、私も勉強させて頂いてますから」
私は、返事をしながら手を動かしていた
実際、素直な子供の絵は
私では感じる事の出来ない表現をする
この教室には本当に感謝していたのだ
すると先生が一枚の紙を私に差し出してきた
「また、絵画のコンテストがあるんだが
参加してみないか?」
私は差し出された紙を見た
「そのコンテストに優勝すると
ヨーロッパでの勉強を約束されるらしい」
「また調べていただいたんですか?」
「いや、君は本当に熱心だから
何か力になりたっくってね」
私は、その参加用紙を見つめた
先生の言ったように
優勝者には、夢のような制度になっていた
「ありがとうございます
私、頑張ってみます」
私は先生に感謝の気持ちを込めて頭を下げた
「君なら、絶対に夢を叶えられえると信じてるよ」
そう言うと先生は教室を出て行った
私は、またその参加用紙を見つめ
胸を熱くしていた
また、私は夢への切符を手に入れたからだ
私は帰りの道すがら彼にコンテストの事を
LINEで連絡していた
送りながら、私の胸は希望で一杯だった
私は微笑みながら空を見上げた
彼と会った時は違って夏の星座になっていたが
優しく光っていた
今までなら
コンテストに参加する時は気負い過ぎていて
こんな楽しい気持ちになってはいなかった
それより夢が叶わなかったらと
そればかり考えていたから
今、手にしてる参加用紙には
私の今の思いを作品に出来たらと
それが評価されなくっても
彼と会ってからの私の心の変化を
作品に出せたらと思っていたのでした
私が見ている星は
決心を星が喜んでいるように
優しく光っていたのでした