第25章 恋
私は抱きついていた腕を離すと
自分の思い考えを伝える事にした
それは、彼とずっと一緒にいたいから
この関係を終わらせたくなったから
「安田さんの気持ちはわかりました
でも、わざわざ噂になる必要はないですよね」
意図が見えない私の言葉に
彼は不思議な顔をしていた
私は一度深呼吸をして
自分の心を落ち着けて言葉を続けた
「私ずっと一緒に居たいと思ってます
だから、ゆっくり二人で過ごしませんか?」
安田「それって....」
「私は、デートとか
お洒落なレストランとより
安田さんとのゆっくりの時間が嬉しいです」
安田「でも、女の子やったらさぁ
色んな所に行きたいやろ?
思い出作りとかさぁ」
「私の思い出は
安田さんと一緒の時間の
この海と素敵な音楽です」
私は自分の気持ちを彼に伝えたが
少しだけ不安になっていた
気持ちを伝えるのは一方通行の行為で
それを相手が受け止めてくれるかは
また別の問題だから
安田「ゆめちゃんの気持ちは分かった」
真剣な顔で彼は
安田「でも、たまにはさぁ
違う所でデートしようや?
色んなゆめちゃんを俺は見たいねん」
彼の言い方は上手いなと思った
気持ちよくYESと言わせやすくする
「そうですね
時々は違う所でも楽しみたいですよね」
私は彼に素直に頷いた
安田「これで、決まりなぁ」
彼は嬉しそうに言った
「では今日は私の部屋で食事をしませんか?
安田さんお腹がすいてるんでしょう?」
私の言葉に彼は嬉しそうに反応した
安田「おん、ええの?」
「私、料理は得意ではないですが
それでよかったら」
安田「もちろんや
好きな子の料理を食べれるんやから
めっさ嬉しいわぁ」
彼の言葉に私は照れていた
そんな私の手を彼は握り引っ張り
安田「早よ行こう
俺、腹減り過ぎて倒れてまうでぇ」
笑ながら私を引っ張って私の部屋に歩きだしたのです
歩きながら感じていた
こうして二人は少しづつ
恋人らしくなって行くのかも知れない
色んな話をして二人で分かりあって
前に進んで行くんのだと
これが恋なんだと