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my self

第17章 悲しみ




 それからの日々は海にもレンタル屋にも

来なかったのでLINEでずっと連絡をとっていた


それはたわいもない会話だったが

彼とは文字を送りあうだけで満足だった




そんなある日

コンビニの仕事をしていると

仕事の同僚が棚のチェックをしている私の側に

やって来て話しかけて来た


「ねぇ、ねぇ、知ってる

すごく噂になってるんだよ」


「噂ってどんなの?」



私は調べてる棚から目を逸らさずに尋ねた

それは、自分に関係ない事だと思っていたから

私は軽く聞いたのだ


「時々、ここにねアイドルが現れるって」


私の仕事の手が止まる

しかし彼女は気にせずに話を続けた


「えっと、アイドルの誰だったかなぁ、

そこはかなり曖昧なんだけどさ、

最近、目撃されてるんだって」


「そ、そうなんだ」


私は動揺を抑えるのに必死だった


「しかしさぁ、こんな海しかない町にさ

なんの目的があって来るんだろうね」


同僚は笑いながら言う


「本当だよねぇ、もの好きだよねぇ」


私も必死で合わせていた


もし、安田さんの事がバレたら大変な事になる

こんな事がマスコミに知れたら

安田さんに迷惑が掛かってしまう


私の頭の中はパニックになっていた


その時、私の様子が変なのを

同僚が気が付いたようで



「どうしたの顔色が悪いよ、大丈夫?」


「うん、昨日 寝ないで絵を描いてたからかなぁ」


「そっか、頑張ってるんだね」


私は、同僚に必死で笑顔を見せた

彼女にも知られてはダメなのだ



彼女は私の笑顔に安心すると

自分の仕事に戻って行った



それからの私はその心配が拭えないまま

時間を過ごしていた

時間が経てば経つほど不安が大きくなる


早く彼に連絡をしなければと

そればかり焦ってした

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