第8章 繋がる
次の日に私は、やっぱり風邪を引いていた
起きた時から熱と咳が出ていたが
生活がかかっているのでコンビニの仕事に出ていた
辛そうな私の顔を見ると仕事場の同僚は心配した
「どうしたの、顔色が悪いよ」
「ちょっと風邪を引いちゃたみたいで...」
「大丈夫?無理せず帰ったら」
「あはっ、大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
頭はくらくらしてたものの
季節外れの海の近くのコンビニは暇なもので
私は商品の棚のゆっくとチェックをしていた
床をモップがけしていた同僚がまた話しかけてきた
「ねぇ、あの噂を知ってる?」
「うん?なんの」
私は仕事の手を休める事無く同僚の話を聞いていた
「そこの海の昔からある噂なんだけどさ
ほら小さい小さい小島が二つ沖にあるでしょう」
「けっこう海の奥にだよね」
「そうそう、あそこにね愛する人と二人で立てたら
ゴールインできるって言われてるんだって」
「えっ?」
彼女の話しに興味が引かれた
「確か右が男で左が女だったけなぁ?
そこに一緒に立つんだって」
「それ、本当なの?」
「私のお母さんとお父さんが付き合ってた時に
したてさ昨日に話しててさ、けっこう有名な話なんだって」
「へ~っ」
私は突然に昨夜の事を思い出していて
胸がときめいていたのでした
「つうか、季節外れだとさ、ここも本当に暇だよね」
同僚は店を見まわしながら言った
「まぁ、そうだよね」
そう返事をしながら突然に私は咳き込んでいました
「ちょ、大丈夫なの?」
心配して私の側に同僚が駆け寄ってくる
「大丈夫、大丈夫......」
私は必死で席を止めようとしてた時に
自動扉が開き、一人の客が入って来ました
『いらしゃいませ~っ』
私と同僚は声を合わせて言いましたが突然
「ちょ、あの客あやしくない」
同僚は私に言ってきた
私は客を見ると帽子を目深にかぶりマスクと
サングラスをしていました
でも.....
私には誰か一目で分かりました
「万引きかチェックだなアイツは」
同僚は彼のキョロキョロしている様子を見て言いました