第40章 甘え
何時間後に彼がやって来たが
彼も送られた文章で
いつもと違うと察していたようで
私の顔を見た瞬間に心配そうに声を掛けてきた
安田「ゆめちゃん、どなんしたん?」
「本当に、すいません」
私は彼に頭を下げると
二人で部屋の奥に進みました
私は彼に申込み用紙の控えを渡しました
彼は意味が分からずに見ていたが
安田「ヨーロッパに行くんや?」
「私、迷ってて.....」
安田「なんで、迷ってるん?」
「行くと、会えなくなるので」
彼は手に持ってる紙をもう一度
静かに見ていた
しばらくの重い空気が流れていた
彼は何を今、思っているのだろ?
私の胸が苦しさで重くなっていた
安田「ゆめちゃんはさぁ、どうしたいん?」
「えっ」
安田「夢を叶えたくないん?」
彼の言葉に返事が出来ずにいた
安田「そんな気持ちやったらさ
行っても無駄やと思うで」
彼の言葉が冷たく私の胸に刺さる
「でも、私は安田さんと離れると.....」
安田「なぁ、ゆめちゃんの夢ってさぁ、
そんなモノなん?
それだけの気持ちでここまで頑張って来たん?」
「ち、違う......」
今までの自分の努力が走馬灯のように
思い出された
努力を無駄にしたくないでも私は
離れても大丈夫だからと言って欲しかった
でも、目の前の彼は別人のようだった
「私は....、安田さんと別れたくなっくって」
安田「それとこれとは別問題ちゃうやん?」
彼のいう事に何も言えなくなっていた
安田「自分の事は自分で
決めなアカンと思うで
それは俺らが決める事ちゃうやろ?」
「でも、安田さんは
私と離れてても平気なんですか?」
私は目から溢れる涙を止める事が出来ずに
彼に向かって行った
安田「平気か平気じゃないかわからん
まだなってないからさぁ
でも会われん理由で別れるなら、
一緒にいてもアカンなる
それは理由にならんと俺は思っている」
私は彼の言葉が悲しかった
なぜ彼がこんなに冷たいのか
どうしても私には分からなかったのだ