( hq!!*短編 ) 病んじゃう黒尾さん ( 黒尾鉄朗 )
第1章 本編
「へぇ…どうだか」
髪を引っ張られて立ち上がらされる。頭皮が引っ張られる痛みは好きじゃないけど、クロなら良い。
「俺は信用してないけどな」
そのままソファに放られ、クロがゆらりとわたしの上に乗る。勿論ただ乗るだけじゃなくて、ちゃんとわたしの足とクロの足を絡めてくれる。
幸せ。
「お前のその白い首筋も」
言葉が消える前に、首元に鋭い痛み。それがクロによるものだと知ったとき、思わずとも歓喜に身体が震えた。
歯が、突き刺さっている。
わたしの肌に、クロの歯が。
「足も顔も存在も全部」
首から出たであろうわたしの血液を舐め取りながら、クロがにやりと笑う。
「俺だけのモノなんだよ」
fin