第9章 かたちあるもの

「…はっ…あ……有希ちゃん……凄く気持ちいいよ……
　だから……もっと君を感じさせて………」

仰向けになっている有希ちゃんの身体を横に倒し、片脚を高く持ち上げて僕の肩に掛ける。

「あっ………いやぁ……」

有希ちゃんが恥ずかしそうに布団を掴んでそこに顔を埋めたけど、僕はお構い無しにずるずると膝を前に出して更に奥へ進み込んだ。

「……………っ」

有希ちゃんの身体がびくびくと震えて、浅く激しい呼吸を繰り返す。

「有希ちゃん……辛いかな？もう、止めようか？」

ふるふると首を横に振って

「いや……です。沖田さんも…気持ち良くなって…欲しい……」

苦しそうにそう言う有希ちゃんに、また僕の心臓がどくりと跳ね上がった。

「僕も凄く…気持ちいいんだよ…
　だって…ほら……僕が有希ちゃんの中に入ってるのが……
　全部…見えてる。」

繋がっている場所を、僕の指でくちゅり…と撫でると

「………んんっ…」

牡茎を絞るように有希ちゃんの中が一層激しく波打つ。

「……動くよ。」

僕は返事を待たずに膝立ちのまま思い切り有希ちゃんを穿ち、ずんっ…と牡茎を中へ捩じ込むとぐじゅぐじゅと愛液が押し出され、僕の太股を濡らしていった。

幾度となく沸き上がってくる快感に恍惚としながらも、僕の抽挿は益々激しくなる。

お互いの激しい吐息と、肌を打ち合わす乾いた音…そこから漏れる卑猥な水音が部屋中に響き、僕は夢中になって有希ちゃんを揺さぶり続けた。

「……さん……沖田さん……沖田…さ……」

僕を呼ぶ声にふと我に返ると、有希ちゃんがぽろぽろと涙を溢しながら空を掴むようにこっちに向かって震える手を差し出している。

「んっ……沖田さん……」

「ああ……ごめんね。……大丈夫……ここにいるよ。」

有希ちゃんの脚を肩から下ろして覆い被さると、僕の両手で有希ちゃんの顔を包み込み親指で涙を拭った。

「………ん…」

安心したように微笑む有希ちゃんの額に…瞼に…鼻先に…頬に…そして唇に……僕は何度も口付けを落とした。

君が愛おしくて堪らない。

もう一瞬たりとも君と離れたくない。

このまま……有希ちゃんの中に溶けてしまえたらいいのに……。