第4章 ハイキュー!!/木兎光太郎
『好きだから……。木兎のこと、好きなんだよ……っ‼︎』
もう、どうにでもなれ。
半ばやけくその告白だった。
その瞬間、木兎に抱きしめられた。
驚いて顔を上げると、唇を塞がれる。
息ができなくで、木兎の胸を押すが、びくともしない。
離してほしいのに、離してくれない。
木兎の熱が唇を通して伝わってくる。
唇を離す頃には私の息は上がっていて、ギロリと睨む。
だけど、それを気にせずに彼は笑って私を見た。
「俺もお前が好き」
言われなくたってわかった。
キスなんてしてきて、それでわからないほど私は鈍感じゃない。
「俺と付き合ってよ、」
断る理由はどこにもない。
私は彼の腕を引いて、キスをした。
驚いた顔の木兎の顔が目の前に広がる。
唇を離して
『絶対離してやんないから』
「それはこっちのセリフだっつうの‼︎」
二人笑って、手を繋いだ。
傘は木兎が私を抱きしめた時、
風に吹かれて海の向こう側に消えた。
海は先ほどの荒れていた海とは違って
穏やかに波を立てていて、
まんま私の心じゃん、なんて思ってしまった。
「今度一緒に出掛けようぜ」
『受験勉強は?』
「うーんと、出掛けた後にやろう!!」
『そう言ってやらないくせに』
「やるって!お前と同じ大学行きたいし!!」
驚いて隣に立つ木兎を見ると、
目を細めて笑っていて、
その顔にノックダウンされた。
fin.