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【6月合同企画】相合い傘

第1章 銀魂/近藤勲





「ここも売り切れか……」

コンビニの品出しをしていると、弱々しい声が聞こえた。
傘を売っている場所で真選組の隊服を着た人が、困った顔をして頭を掻いていた。

髪の毛から滴る雫をみて、雨に打たれたんだなと気がつく。
予報外れの豪雨に客はみんな傘を買って行ってしまったのだ。

一本も残っていない傘売場を眺める男性がかわいそうになって、
私は一度店の奥に消えた。

そして自分のロッカーの中を漁る。
いつも常備している折りたたみ傘を持って、その人の所に行く。
その人は、諦めたように息を吐いて店を出ようとしていて、

『あの!!』

私はとっさにその背中に声をかけた。
くるり、と振り向くその人は「え、俺?」と自分で自分に指を差す。
私はこくりと頷き、自分の傘を渡した。

『お困りの様でしたので……。もしよろしければこの傘を使ってください』
「え、でもそれじゃあなたが……」
『大丈夫です。どうぞ使ってください。女物で申し訳ないのですが……』

ピンクの水玉模様の傘。
がっつり女物で自分の好みがわかってしまう柄に、なぜか私が恥ずかしくなった。

しかし、その人は太陽みたいな顔で笑ってお礼を言ってくれた。

「いやぁ、ありがとうございます。警察の癖に市民に助けられるとは!!俺もまだまだですな!!」
『そんな、困った時はお互い様ですよ』

にこりと笑えば、その人も笑ってもう一度お礼を言った。



出会いはそこから始まった。



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