第3章 銀魂/神楽
『泥団子作ろう』
公園で定春の散歩をしていると、小さい女の子が私に言ってきた。
その手には、歪な形の泥団子が握られている。
「私に指図するとは100年早いネ。出直し的な、ガキンチョが!!」
『お友達になろう』
「聞いてたアルか、お前」
『私はって言うの。お姉ちゃんの名前は?』
"お姉ちゃん"
その言葉に私は胸を打たれた。
ザアァァ……と風が吹く。
ピンク色の花びらが空に舞う。
『お姉ちゃん、一緒に遊ぼう』
「し、仕方ないアルな!たまには子供の遊びに付き合ってもいいネ」
お姉ちゃんって言われたことが嬉しくて、流れに乗った。
はへにゃりと笑って、私の手を引いて歩き出す。
砂場では小さい子供がお城を作ったり泥団子を作ったりしていて、
そこに混じって二人泥団子を作ったり、穴を掘ったりいっぱい遊んだ。
は最近歌舞伎町に引っ越してきたらしい。
父親と二人で暮らしていると言った。
父親は仕事で忙しくて、いつも一人で遊んでいたけど、今日はお姉ちゃんと遊べて嬉しい。
そう言った。
それを聞いて、私は寂しいのかなって思って、
胸がきゅっとなって、
「じゃあこれからは私と一緒に遊ぶネ!」
『本当!?』
一人ぼっちの寂しさを知っているから、見捨てておけなかった。
友達になってあげたいと思ったし、なにより「妹」ができたみたいで、私も嬉しかったのだ。