第19章 最後の一日と小さな想い
日「よし!最終日!頑張るぞ!」
パチンっと軽く頬を叩く。
灰「日向!食堂まで勝負しよう!
買ったほうがおかず半分こな!」
日「おう!わかった!ズルすんなよ!あ!藍蘭さん!おはようございます!!」
灰「あ、藍蘭!おはよう!」
藍蘭「おはよう、日向、リエーフ」
ブンブンと手を振ってこっちまで走ってくる様子はまるで
おもちゃを見つけた子犬みたい。
日「…?何か面白いことありました…?」
ううん、何でもない。と答えつつ、少しだけ笑ってしまいそうになるのを堪える。
相変わらず、日向は?を浮かべているけど、
知らないフリをした。
灰「藍蘭、今日俺が勝ったら昼飯くれよ、な!」
藍蘭「配膳の時、私の所に並んだら、
日向より多く盛ってあげる。
それじゃあ駄目?」
流石にあげてしまうと、私ももたない。
お腹がすいたままの部活は辛い。
日「じゃあ、俺がリエーフに勝ったら、
そうして下さい!」
藍蘭「けど、少しだからね?
みんなに渡らなきゃダメだから」
ハイ!と心地好い返事が返ってきて思わずニコニコと頬が緩む。
日「じゃあ、取り敢えずは…」
灰「朝メシから…!」
日・灰「よーい、ドン!」
ドタドタと走っていく彼らを見送る。
声をかけようとしたのに、あんなに走っていってしまって。
藍蘭「鍵は私が持ってるから、走っていっても
まだ開いてないって伝えそびれたわ」
2人には申し訳ないけど、いつも通りの時間に行こう。
もう少し、もう少し。