第11章 恋が始まる夏祭り
「銀ちゃーん!」
神楽が浴衣をぐちゃぐちゃに着ながら、ソファに座ってジャンプを読んでいる銀時の前に走って来た。
「助けロ!」
「あーーー? 何やってんの」
「浴衣の着方がわからないネ。さっぱりヨ。コレなに?」
神楽が薄いピンク色の紐を持って聞いた。
「沖田と待ち合わせしているのにコレじゃ間に合わないアル」
「ちょっと待て」
銀時は『沖田』という単語を聞いて、顔を青ざめて神楽に言った。
「お前らいつの間にそんな仲良くなってんだよ。デート上等。青春か? コノヤロー」
銀時は少し焦ったような様子だった。ーー神楽があんなドSと付き合っているなんて聞いたら、神楽の父親である海坊主が黙っていないからだ。海坊主に知られたら地球は最期、木っ端微塵に吹き飛んでしまうだろう。
「そんなんじゃないネ!」
「神楽、話すのはいいけど、袖こっちね」
銀時は神楽の着物を着つけながら、話を聞くことにした。
「だって聞いてヨ。あいつ……」
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