第11章 失う事の悲しみ(ルカside)
「はぁ...、はぁ...」
「もう少しだから」
「うん!」
森の奥、人気のない場所に着く。
辺りを見渡し大丈夫かを確認し、彼女を座らせる。
「ルカくん、山上くんは大丈夫なの?」
「大丈夫じゃ、ないと思う。でも、僕は君を守らなきゃいけない。助けには、行きたくても行けないんだよ...」
ソラが殺されたら。
そんなことを考えてしまう。
「ヴァンパイアは、不老不死なんじゃ...?」
「そうだよ。でもヴァンパイアがヴァンパイアを殺すことは出来る。」
ソラには、死んで欲しくない。
澪を、守る人が居なくなってしまう。