第20章 願い
カラオケ後、楓と別れ、帰り道。
まだ明るいため、ポツポツとしか街灯がついていない。
そんな時、後ろからポンッと叩かれた。
「ひぃっ」
「なに情けない声だしてるの~」
叩いたのはケラケラ笑うソラだった。
やっほー、と手を上げ立っていた。
「びっくりするでしょ!」
「ごめんごめん。僕さ、携帯っていうものを持ってなくてね。連絡手段なくて」
はて、と首を傾げる。
「だって澪、テレパシー使えないでしょ」
「当たり前でしょ!」
なるほど、ソラは携帯電話というのを知らないうえ、電話類を知らないんだ!