【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第19章 暴走と葛藤
八雲が生徒指導室に入ると、高杉は腕を組み椅子に座っていた。喧嘩の傷か、顔には痣を作り腕や足にも傷テープや湿布が巻かれている。
「…怪我、大丈夫か?」
返事はない。
八雲は高杉の向かいの椅子に座った。
「お粥、ありがとうな。美味しかったよ」
やはり返事はない。
「お前やっぱ料理美味いんだな。あれ食べたら完全に食欲戻ったよ。ははっ…」
相変わらず返事はなく、自分の笑い声が部屋に小さく響く。
…虚しくなってきた。そろそろ本題に入ろう。
「…なぁ、なんでこんな事したんだ?何か理由があるんだろ?」
その問いに高杉は眉間に皺を寄せるが、答える気はないようだ。
「…俺、理由もなくお前がこんな事するとは思ってないよ」
黙り込んだまま下を見つめる高杉にジッと視線を向け、言葉を続ける。
「…もう知ってるんだろ?土方と沖田と俺が、何したか」
ピクリと高杉の指が小さく動く。