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Mein Held(進撃の巨人:ジャン夢)

第1章 Mein Held


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 何がきっかけで始まったのかは定かではないが、訓練後のある午後、大衆の前でジャン・キルシュタインとアグネス・グリムは口喧嘩を繰り広げていた。大声で怒鳴り合う二人は一瞬だけ周りの注目を集めたが、いつもの喧嘩だと知れば誰しもが「またか」と納得して日常に戻っていた。

「ジャンの腰抜け! 男なら正々堂々と戦場で戦いなさいよ!」

「うっせぇんだよ! お前だって女ならその血の気の多い性格どうにかしやがれ!」

「兵士なんだから戦意が有って当たり前でしょうが! 戦う事が怖いなら生産者に回れば良かったものを。巨人相手に戦うつもりが無いなら、始めから訓練兵になるんじゃないわよ、馬鹿ジャン!」

「馬鹿はお前の方だろうが! 考えてもみろ。毎日同じように齷齪働いても、生産者はずっと生産者のままだ。土いじる事しか出来ねぇし、『裕福』も『安全』とも程遠い生活なんだぞ。けど訓練兵の時に死にものぐるいで頑張れば、憲兵団に入って内地で安全に暮らせる! 俺は『巨人と戦わない』為に、…………『生きる』為に訓練兵になったんだ!」

 見解の相違。二人が反発しあう原因はどの喧嘩でも当たり前な理由で行われていた。それにはごく最近襲いかかってきた恐怖が大きく関わっている。
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