第5章 鬼
「あ?新しいの?
前のはどうした」
「ごめん、壊れた」
多分、十一番隊の連中に踏まれて跡形もない。
「はぁ?壊れたァ?
あれ1つ作んのに、どんだけ大変か分かってるか?」
いつもよりも、眉間にシワが寄ってる。
「だからごめんって言ったじゃんか」
「ごめんで済むか!」
怒られちゃった。
「とにかく頼むっ。
阿近じゃなきゃ作れねぇんだ。
アレがねぇと業務に支障が出るし…」
パチンッ、と手を顔の前に合わせて懇願する。
「はぁ…3日後だ」
「さんきゅっ、阿近」
「ったく…扱いには気をつけろよ。
今度壊しやがったら、承知しねぇ」
「ん。
あ、それと…」
「まだなんかあんのか?」
「んー、やっぱ今度でいいや。
なんかピリピリしてるし」
ちょっと怖い。
「誰の所為だと思ってる」
「俺か、ごめん」