第8章 杉並区へ、目指すはアクア・カレント
マッチングリストぬはアクア・カレントはいなかった。
けど、シルバー・クロウはいた。
シルバー・クロウのレベルは5.......さあて、勝てるかな。
ステージは【原始林ステージ】。
簡単に言うとNHKとかディスカバリーチャンネルとかで時々やってる恐竜のいた頃のような背景だ。
毒沼とかあるけど。
それはともかく。
カーソルは左を示している、つまりリアルのあのポッチャリした少年もあの方向にいるという訳だ。
とりあえず俺は距離を詰めることにした。
そして、【原始林ステージ】特有の苔と腐葉土の大地を駆け出す。
原始林のでかい根っこやでかい木を器用によけたり足場にしながらチラリと上の体力ゲージと必殺技ゲージを見ると【シルバー・クロウ】の必殺技ゲージが徐々にチャージされている。きっと道中でオブジェクトを破壊しているのだろう。
俺も腹などに一発槍を刺せばチャージされていくのだが、ああゆう類いは自分でやると不思議とめちゃくちゃ痛かったりするのだ、出来ればやりたくない手だ。
俺の装甲色は純色の赤なので気の上にハイドしたって意味がない、まああちらも同様だが。
焦土ステージとかならまだ期待が持てるんだがなー。
そんな末、カーソルが消えた。20m圏内に入った証拠だ。
そして俺は見た。木々の間に光る銀色の装甲を。
先手必勝!....ということはなく今回の用事はお礼とアクア・カレントの居場所だ。
「おい」
背後からの俺の声にびっくりしたのだろう慌てて後ろを振り向くシルバー・クロウ。
俺は続けて言った。
「今日は礼を言いに来た」
「へ...?れ、礼?」
「ああ、無事【ISSキット】を外すことが出来たからな、あと破壊おめでとう」
そう、俺が美羽の【ISSキット】の解除をした次の日、なんとシルバー・クロウのいるネガネビュラスか本体を破壊したのだ。俺の苦労はなんだったんだ!直結出来たからいいけど!