第5章 帰り道
俺は10m程先に立ち【ISSキット】をつけたことにより黒い過剰光を放ってる【ポリエチレン・アイ】に長槍を地面に突き刺してから言った。
「それは【ISSキット】だな?」
愚問だ。100%そうであろう。
「はあ?そうに決まっているだろお」
...そうか、アレ、か。
瞬間、俺のアバターから灼熱の焔のような過剰光が溢れ出す。
そして一度地に刺した長槍を再び抜き水平に薙ぐ。
その動作に連動して俺から溢れ出る過剰光が草原に一気に広がり獄炎の広がる景色へと塗り変えられる。
「うえっ!?」
【ポリエチレン・アイ】の驚きの声が広がる、その理由は勿論自分の足元にまで火焰が広がったからだろう。事実、火焰のように熱い。
「あ、あちいッ!?」
しかしそんな驚きだけでは終わらない。俺はシルバー・クロウ相手に発散できなかった【ISSキット】への憎しみをすべてぶつけるかの様な勢いで心意を練り騎馬兵の軍団を創り出す。
俺はここまでの数の騎馬兵を出したのは初めてだったので少々驚いた。
まるで獄炎から這い出るように出現した計100体の火焰の騎馬兵に【ポリエチレン・アイ】は腰を抜かしていう。
「な、なんだよおまえ...それは...それはなんなんだよお!?」
「...そうだな、お前の持つ【ISSキット】の反対にあるもの、いや...多分同じものかもしれないな」
「はぁ?」
「...もういいからお前は消えろ」
俺がそういった瞬間、後ろにいた100体の騎馬兵が同時に獄炎の大地を駆け出す。
そしてそれぞれの騎馬兵達が持つランスやロングソード、ジャベリンが【ポリエチレン・アイ】に殺到する。
「ぐ...ぁ...ッ!」
そんな断末魔の悲鳴と共に百本の得物が地に刺さる金属音が響くと同時に【ポリエチレン・アイ】の体力バーが物凄いスピードでゼロになる。
そして敵アバターが爆散し、【YOU WIN!!!】という炎のエフェクトを伴ったロゴが広がる。
「...よしっと....」