第2章 なんか妹の様子がおかしいのだが....
葉山皇羽は妹と共に東京都豊島区のとあるマンションに二人で住んでいた。
父親はいない。皇羽たちが幼い頃に離婚したのだ。そして二人の子供を持つという現状から母親の仕事も忙しくなり、遅くに帰ってくることが多くなった。
父親はニューロリンカーの研究者であったためか生まれた直後からニューロリンカーを皇羽たちは着けていた。
実際ニューロリンカーは心拍などを常にモニターしてくれたりするので幼児期の際はそういう情報をすぐに伝えてくれるし楽なのだけれど。
そして離婚して数年が経ち、皇羽は中学三年生に、そして妹の美羽は中学二年生となった。
前述どうり母親の帰りは遅いので実質二人暮らしと言っても過言ではなかった。
同じ時間を共有するからか兄妹の仲は良く。マンションのお隣さんにも世話になったりもした。
余談はさておき、問題は俺の妹である美羽の様子がこの頃おかしい件だ。
一日のうち必ず一回は一瞬気を失ったかのように身体から力が抜けているのだ。俺が「ど、どうしたッ?」と聞いても「え!?う、ううん。なんでもないよっ」とはぐらかされてしまう。
家には暴力行為や犯罪行為などを見つけると通報してしまうソーシャルカメラを配備してないので通報される心配はない、というか撤去した。俺が。
よし、睡眠薬をのまして直結して確認しよう!
ちなみに、2047年の今現在、直結というのは相手のニューロリンカーを全て覗くことができ....。
主に恋人同士などが、やることだった。
まあ妹ならゆるしてくれるだろう。
あと直結とはケーブルを使ったニューロリンカーは有線で接続することである。