第2章 なんか妹の様子がおかしいのだが....
「あ、アロエ!?」
そう、所々ひび割れたコンクリートを割って出てきたのは超どでかいアロエだったのだ。
そして俺の足元でも地面が「ミシィ...」と地面が割れ、すごい勢いで生えてきた巨大アロエに天高く穿たれる。
「ごッ...!?」
俺は鎧のような外見の装甲のゴツさに比べて防御力が低く、今ので半分もの体力ゲージを削られてしまった。
ここまで痛みを再現しているのだから落下の際のダメージもあるだろう、痛いのはやっぱり嫌なので(美羽にそのような事を頼まれれば容易にやるが)さっきステータス画面で見た必殺技のコマンドを叫ぶ。
高さにして五階建てに匹敵するほどのとこを落下する俺を見て勝利を確信したように立つ【アロエ・ピジョップ】。
甘いな、落下までの数秒、妹の事だけを考えていることで頭を常に冴える俺にとっては長過ぎる。
俺は空中で槍を持たない片手を前に、そて槍を持った片手を後ろに持っていき『投槍』のホームをとる。
観覧席である屋上から見ている妹に心配させてしまった自分を心の中で罰しながら俺は【世紀末ステージ】にどこまでも響くような声で叫ぶ。
「『グングニル』!!!」
瞬間、俺は投槍した。槍は俺の手を離れた瞬間雷光のように瞬き空気を一閃する。
まあでも俺もこんなリアルに痛覚のある中で女を突き刺したりなどしない。
目指すは柄による即頭部への一発。
そして【アロエ・ピジョップ】が【バーニング・ウォーデン】の手から発する閃光を知覚した瞬間、体力ゲージが一瞬で消滅し、世界が暗転した。
《YOU WIN!!》
猛々しく燃える炎のエフェクトと共にそんな通知が俺の視界に拡がる。
同時に地面に墜落、痛みにもがきながら立ち上がり同時に観覧席から勝利を称えるエールや拍手が飛び、俺は控えめに手を振った、が、俺はその中に美羽の姿を見つけ出しさっきとはうって違って大きく手を振る。
「妹よー!お兄ちゃんは勝ったぞー!!」
後にシスコン魔術王と(影で)呼ばれるようになる第一歩が今ここで踏まれた。