第29章 第28セット
そう言えば、飛雄も英もなんで急に私と出掛けたがったんだろう。
あ、いや飛雄は告白って目的あったか。
じゃあ英は?
まさか英まで、、、
いや無いな。ないないないない。
自分でフラグを建設していたにも関わらず、それに気づかないまま帰り道を歩いていた。
気づけば家の近くで、何もなかったじゃんかーと安心しきっていた。
すると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
フリーズすること3秒。
はっと我に返った私は英の腕をほどこうと少しもがいた。
もがけばもがいた分だけ抱きしめる力が強くなっていく。
国「逃げないでください。」
小さく呟かれた言葉。
国「逃げないで、優さん。お願い。」
なんで?
なんでそんなツラそうな声なの?
私はここにいるのに。
国「優さん戻って来て。俺達のところに」
あ、、、。
国「みんな、待ってるんです。優さんが戻ってくるの。
ちゃんと誤解だったって分かったんです。
柴崎センパイもマネージャー辞めました。
だから、、、」
そう言った英の腕をほどき、走ろうとした。
国「優さんッ!!!」
けど英は、そんな私を逃してくれなかった。