第29章 第28セット
ほぼ無理矢理状態で連れて来られた市内の大きなプール。ちなみに屋外。
よくもまああの無気力少年の英がここに来ようと思ったね、ホント!!
暑いからそれなりに人いっぱいだし、、、
それに、、、こんな体見せたくないよぉ、、、痩せたい。
あぁ、もう来たからには腹くくればいいんでしょ!!?
変に開き直った私は更衣室で水着に着替え、プールへと向かった。
もちろん、防水ポーチに入れたケータイも忘れずに持った。
合流場所には既に着替えを済ませた英がいて、遠巻きに女の子たちがキャーキャー言っいてた。
やっぱりモテるんだねー、英は。
物陰から英を覗いていたら、それに気づいた英がトタトタと私のそばに来た。
国「優さん遅いです。何して、、、ッ」
んん?何した?
プイッと背けてしまった顔を見ようと覗きこむと
英の手で視界を塞がれた。
びっくりして手を剥がそうとすると
国「スミマセン、、、ちょっと見ないでください///。」
なんのこちっちゃ分からなかったけど、素直に従った。
少しして英の手が外れ、視界が開けた。
微笑みを浮かべた英が私を見ながら嬉しそうに言った。
国「水着、すごく似合ってます。俺たち(青城)の色ですよね」
そう。私の着ている水着の色は“ミントグリーン”
青城カラーだ。
こんなところにも、未練が表れる。