第25章 第24セット
*優side*
こんな私を女の子扱いしてくれるのは嬉しい。
でも、「練習になんのか?」「女子デショ?」
女だからって舐められんのは腹立たしい。
凄くすごく腹立たしい。
飛雄に言われてコートのエンドラインへ向かう。
リベロの西谷くんが反対のコートに構えた。
どこ狙おう、、、。
ジッと視線を送ると
影「西谷さんから半径1m以内で。全力でおねがいします!」
全力?そんなの当たり前じゃない。
舐められたまんまでいられないって♡
田「オイオイ!打つ場所教えて大丈夫なのかよ!」
舐めすぎだろ坊主くん?
西「俺はいつでもいいぜ!」
準備は整った。
私を舐めてた奴。よーく見とけよ?
パワーのない私は、ボールに威力を込めるため普通の男子より後ろに下がる。
ダンダダンッ ダンダダンッ
ボールを床に打ちつけ、感触を確かめる。
トントンッ フゥー
息を吐きだしボールを顔の前で持ち、相手コートを見据える。
体育館に張り詰めた緊張が走る。
キュッ キュッ キュッ キュキュッ
私が踏み切った瞬間、誰かの口から「舞った」そう聞こえた。
ドパッ!
まるで男子のスパイクのような勢いで放たれたボールは西谷くんの腕を弾き、壁に当たった。