第18章 第17セット
*岩泉side*
朝練の途中、国見が勢い良く体育館の扉を開けて入って来た。
国見の腕の中には
苦しそうに息をする優が居た。
俺が足を一歩踏み出すと、
及川が真っ先に駆け寄って何があったか尋ねた。
国「ちょっと色々あって。過呼吸起こしてます。」
慌てながらも説明し、愬波に対処してもらおうと呼ぶと奏が優の処置に名乗り出てきた。
国見は奏に怒鳴っていた。
優のことで必死になる国見を見て少しだけイラッとした。
その後国見は及川と体育館から出た。
練習を再開したもののみんな優の様子が気になるようでミスが目立つ。
「集中しろーっ!!!」
そんなこと言ってる俺も、さっきの事を考えていた。
俺は何であの時優に駆け寄ろうとした?
何で国見にイラッとした?
国見があんなに必死になるなんて、、、
優のことが好きなのか?
何で俺はそんなことを気にする?
今は奏が好きなんだろ?
あいつが好きじゃなくなったから別れたんだろ?
なのになんでこんなに気になるんだ?
次々に浮かぶ疑問に答えが出せなくて集中が途切れる。
そんなイライラする俺の様子を花巻と松川が見ていたなんて
少しも気づかなかった。