第16章 第15セット
いつも通りに部活を終えて、片付けと戸締まりをして学校を出る。
徹が校門のところで待っていてくれたから一緒に帰った。
そして私は今日決めたことを徹に話した。
《はじめと別れる。》
徹はとても驚いていた。
そして酷く傷ついた顔で
及「お前はそれでいいの?」
そう尋ねてきた。
良くないよ。
良いわけない。
嫌だよ。
今にも泣きそうだよ。
でもね。
私じゃダメだったんだよ。
一には私は要らなかったんだよ。
でも、幸せになってほしい。
この気持ちは本当。
《そのほうがきっとはじめは幸せになれる》
必死に笑顔でいようとする私の頬に一筋の涙が流れた。