第15章 第14セット
*優side*
今日の朝練はみんな少しだけそわそわしている。
主に徹が。
一はなんでそわそわしてるかわからなくて、ただ怒鳴る。
今日の教室はいつもより賑やかだ。
一の机やロッカーがプレゼントで溢れかえっている。
そう。何を隠そう。
今日は一の誕生日。
バレー部はサプライズを仕掛けようとしている。
昨日のうちに準備をして、今日の放課後、部活が終わったらサプライズ開始。
みんな乗り気だけど私は今すぐにでも帰りたい。
なんでって?
プレゼントあげなきゃでしょ?
何が悲しくて告白現場見た次の日にプレゼントあげなければならないの?
けどあげないといけない空気だったから、
毎年恒例の一の大好物、揚げだし豆腐をパック詰めして持ってきた。
、、、までは良かった。
目の前では柴崎さんが私と同じ物を一にあげてた。
柴「岩泉くん!よかったら、これっ、、、好きだったよね?誕生日だから///」
岩「まじか!さんきゅ!///」
見なきゃ良かった。
帰れば良かった。
照れてる一なんて、、、
及「優?どうしたの?突っ立って、、、ッ!」
入り口に突っ立ったままの私。
後ろから声をかけてきた徹に、パックの入った紙袋を押し付けてそのまま屋上まで走った。
午前の授業は全てサボった。