第15章 第14セット
「、、、っ、優!」
はっ
及「大丈夫?ずっと、上の空だったけど、、、」
気づけば昼休みになっていた。
いつもみんなが集まる屋上。
そこに一の姿がない。
あの子と食べるんだね。
私はもういらないんだよね。
思考がどんどん闇に堕ちていく。
及「優。こっち向いて。俺を見て?」
声のした方を見る。
穏やかな表情をした徹。
及「俺がいる。俺達がいる。俺達には優が必要だよ?
だから、そんな顔しないで。優には笑顔が一番だよ」
周りを見るとみんなが笑顔で見つめていてくれていた。
「ッ、、、」
ポロポロとこぼれ落ちてくる涙。
オロオロと慌てて何とか涙を止めようとする皆。
その姿がおかしくて
いつまのにか涙がどこかへ行って笑いが込み上げてくる。
笑う私を見てみんなも笑う。
なんだ。
こんなにも私は幸せじゃないか。
ちゃんと笑えるよ。
ありがと。
とおる。