第12章 第11セット
*優side*
迎えた3日目。
この日白鳥沢学園に勝てば、全国へ行ける。
及「絶対、勝つよ。」
岩「あぁ。牛若ぶっ倒す。」
誰もがそれまで以上に気合を入れ望んだ。
いつも以上にみんなの調子もよく、速攻も決まっていた。
1セット目はあと少し及ばず、25-22で白鳥沢に取られた。
強烈なスパイクにしつこいブロック。
それに対抗するようにあらゆる場所から攻撃を組み立てる青城。
そして2セット目の終盤。
白鳥沢のセットポイントーーー
青城は22点。
勇太郎がクイックで点を取り、後1点でデュースに持ち込める。
何もできない私はただ祈ることしかできなくて、、、
徹が全力で打ったサーブはAカットからは大きくずれ、攻撃の選択肢はライトに絞られる。
ブロックも3枚付いている。
青城には“練り上げられた強さ”がある。
それでも、白鳥沢はそれを力でねじ伏せていく。
ズドンッ
牛島が3枚ブロックを打ち抜き、スパイクが青城のコートに落ちる。
ピピーッ
ー試合終了ー
セットカウント
2-0 25-22
25-23
IH宮城県予選 優勝:白鳥沢学園
及「まぁ、勝利までの過程なんて関係ないよね。コートにボールを落としたほうが負け。」
それが全て。
ー今までの練習とか
経験とか
策略とか
全部力だけでへし折っていく。
それが白鳥沢。
こうして私達のインターハイは幕を閉じた。