第10章 第9セット
*及川side*
入ってすぐサーブになった飛雄は、嬉しそうにボールに触る。
飛雄が目を瞑り再び開くと
ピリッ
とてつもない威圧感に、一瞬恐怖を感じる。
「一本で切るよ!!」 『オオッ』
ドギュッっという音させ、向かってきたボールは渡っちの腕をはじき、壁に当たる。
そして、ボーズ君と飛雄がハイタッチしたことでまたコート内がざわつく。
2本目のサーブは岩ちゃんが弾いたが渡っちとマッキーがカバーをして何とかつなぐ。
烏野にとって速攻のチャンスとなり、前衛はスパイクを止めようと警戒をするが、何も言わずに神業速攻を打ってきた。
金「くそっ、、、」
「ハァイ、落ち着いて。焦ってこっちが崩れてやる必要はないよ。一本取り返せば問題ない。」
金「!ハイ!」
岩「おい。その顔とポーズ、ハラ立つヤメロ」
「ヒドイな!」
3本目のサーブは岩ちゃんの正面で綺麗に上がり、うちに点が入る。
烏野は平常のリズムを取り戻したし、飛雄も味方に意識が向くようになってきた。
チビちゃんがセンターから斜めに飛び、神業速攻で俺の上を打ちぬく。
烏野が先に20点台にのる。
エース君にブロックアウトで2点差をつけられ、
青城はタイムアウトを取る。