第7章 旅行編
「なお、何持ってきてーって…ローションとコンドームじゃないか!素敵だぞ、直人っ」
語尾にハートがつきそうな甘えたな声を出して俺を褒めてくれる。そして俺の太ももを軽くボディタッチをしながら頬にキスをしてくれた。
(ここであだ名じゃなくて名前呼び…か、雰囲気作り上手いなぁ、俺も見習わないと)
布団の横にローションとコンドームを置くとアルは俺の首に手を回しゆっくり痛まない程度に倒れこむ体制になる様に引っ張られる。
アルの顔の横、左右に手を置き自分の身体を支える。
どアップになったアルの顔は期待と少しの不安で揺れている顔だったが嬉しいという感情が伝わる様な表情で凄く可愛い。そして薄暗い照明に照らされてとても綺麗だ。軽く頬にリップ音がなるような可愛らしいキスをして頭を撫でてからアーサーのいる方向を見る。
すると、俺からの視線に何が言いたいか分かったみたいで。
「最初にアルをしてやれ、その後俺でいーからな?ほら俺を見てないで相手してやれよ、物欲しそうな顔してんぞ」
「うぅー…物欲しそうな顔なんてしてないぞ…、やっぱりしてる、期待してる……、ありがとうアーサー」
「………‼︎べ、べべべ別にお前の為に先を譲った訳じゃねーからな!あと直人!わからない事があったら俺に聞け!俺は見てるから」
「う、うん………分かった…‼︎よろしくね、アーサー先生!」
アーサーがわからない事があったら聞けという言葉に安心感を覚える。アーサーは男を抱いた事があるらしいし性関連の経験は豊富みたいだ。今、アーサーは俺のコーチ。という事だ。
”先生”と呼ぶと誰が先生だ、とふっとアーサーは笑った。
アーサーに向けていた視線をアルに向き直す。アルと目と目があった。青の目が期待に揺れている。綺麗だ。
「………アル、しよっか」
「うん、きて、直人」
俺とアルの口と口が触れ合い最初は触れるだけのキスだったがその行為に興奮した俺はゆっくりとアルの口内に舌を差し込む。
「ン………ぅ、」
するとアルもそれに応えてくれるように舌を絡ませてくれる。アルの口内を味わうように、舌を吸ったり舐めたりを繰り返す。最初はアルも頑張って俺の舌の動きについて来てくれいたみたいだけれど、それもどんどん俺のされるがままになっていて縋り付くように俺の肩を掴んでいた。