第6章 3人で旅行!〜準備編〜
「………よし、開けてみよう」
1人リビングのソファーに座りながら独り言を呟く。
目の前のテーブルには品川から受け取った紙袋。
なんとなく2人がいるところで開ける気にはならず2人が寝る準備をしているときに「見たいテレビがあるから」と告げ、寝静まったのを確認してから俺は中身が気になっていた紙袋を開けようと手を伸ばす。
ゆっくりと紙袋を覗いてみると………
(…………これって)
一番最初に目に付いたのは透明な液体の入ったボトル。
それ以外にもDVDらしきものや本が入っている事がわかる。
何だか嫌な予感がして一度立ち上がり廊下を誰もいない事を確認する。
そしてソファーに戻って一息つくと、おそるおそる紙袋の中に入っているものをテーブルの上に出してみる事にした。
「う、うわぁ…これ、品川が全部準備したの?」
入っていたのはさっきは分からなかったが手にとってみるとボトルに文字が書いてあった”ラブローション”「これ、ローションだったんだ」と思いながらそれを無言で置く。そしてDVDが2本入っていてそれを両手に1本ずつ持ってみるとその表紙にギョッとする。片方は初めてのHという名前で結構イケメンなお兄さんたちが絡んでいて、もう片方は初めての3Pという名前で3人の男が器用よく愛し合っている。
それをみて俺はそのDVDをぶん投げたくなったが品川が折角俺の為に用意してくれたのだと、DVDを投げるのを思い留まった。
最後に残っていたのは2冊の本だった。表紙に書いてあったのは”男を気持ち良くさせるテクニック”と”男同士のH〜基本編〜”……危ない危ない、一瞬息を吸うのを忘れていた。
「これで終わりかな………これ、2人にバレないように隠さなきゃいけないなぁ…」
(品川……そんなに俺たちの事応援してくれてるんだなぁ、しっかし……良く集めたよね、これ)
入っていたのはまだ新品で品川のお下がりではない事は確かだ。きっちりこれで勉強しろという事か。
「でも有難いかも、男同士のやり方とか俺分かんないし……ちょっとDVD見てみようかな、本は何時でも読めるし」
まず音が聞こえたらまずいとイヤホンをテレビに接続する。こうすれば俺だけに音が聞こえるから2人が起きる心配もない。まぁでも、何だか少し怖いから音量はほんのすこしだけだが。
テレビにDVDを入れる。読み込みが終わりパッとテレビが明るくなった。