第5章 俺の気持ちは
「ただいまー」
鍵を開け、ドアを開けると電気がつけられている事に安堵しながら中に入り鍵をかける。
鍵を開ける音で気付いたのか、アルとアーサーが玄関まで来てくれて出迎えてくれた。
そして突進するようにハグしてきたアルをよろけながらも何とか受け止めた。
「おかえりなんだぞーっ!今日少し遅かったね」
「お、おかえり直人」
「ただいま!ごめんねー、ちょっと寄り道してたんだ
あ、これアイス買ってきた。はい、アーサー」
今だにハグをしていて離れないアルには渡せないためアーサーに袋を手渡す。
「あ、ありがとう…あのな直人腹減ってるだろ?
俺1人で料理はダメだって言われてたからアルと一緒に作ったんだ」
「そうなんだぞ!何かは見てのお楽しみだよ!」
「晩御飯作ってくれたの?お腹すっごい空いてるから凄い嬉しい!」
カフェではコーヒーしか飲まなかったからお腹はペコペコだ。
自炊はするけれどご飯を作って貰って食べるのは久しぶりの事で俺は気持ちが昂ぶる。
早く2人が一生懸命作った手料理が食べたいが、アルに準備しとくからなおは着替えてきなよ!と言われ渋々服を着替えに行った。
着替え終わり戻るとテーブルには美味しそうなサラダとカレーが3つ置かれていた。
そして、2人は座って待っていてくれていた。俺も急いで座るとカレーの湯気が顔にあたる、ずごい良い香りで早く食べたい。
「良い香り、すっごく美味しそう!アル、アーサー、ありがとう!
んじゃ、いただきます!」
「いただきます!」
俺に続きアルとアーサーもいただきますと言い一口熱々のカレーをふーふーしてから口に入れる。
…とっても美味しい。今まで食べたカレーライスで一番美味しい。このカレーに2人の頑張りと愛情がいっぱい詰まっているからなのかな。
「すっっごく美味しい!人の手料理なんて俺、久しぶりに食べたから今凄い感動してる」
「美味しいかい?良かったぞ!」
「上手いなら良かった…まぁ、俺は野菜切っただけだけどな。」
「何言ってるんだいアーサー!そんな事言うなら俺だってアーサーが切った野菜を煮てカレーのルウを入れただけだぞ。それにカレーって誰でも簡単に作れるけど愛情なら誰にも負けないぞ!」
「このカレー、2人の愛情がいっぱい入って世界一美味しいよ!本当にありがとうね!」