第3章 この2人はスゴイ可愛い
「ありがとね、アル。凄い助かった」
「だろう?俺はヒーローだからね!」
「流石ヒーロー」
お礼と言うのは何だがアルの頭を撫でる。
ドヤ顔で褒めて貰うのを待ってるアルを見てると弟がいるような感覚に襲われる。
(構ってあげたくなるな…)
「…っ、へへ、なんか照れるんだぞ」
「アルは可愛いなぁ」
「可愛くないんだぞ!」
頬を染めながら否定されてもなぁ、嫌がって無いみたいだから良かった。
「……………………」
アーサーの様子がおかしい。
もしかしてアルの頭撫でたのが不満だったのかな?
するとアルがニヨニヨしだして
「ははーん、分かったぞアーサー!
君なおに頭撫でられた、俺が羨ましいんだろう!」
「はっ⁉︎んなわけねぇだろ‼︎
お前みてぇに餓鬼じゃねーんだから!
…羨ましいなんか、思ってねぇよ」
(アーサーってほんと分かりやすいな)
「アーサー、ちょっとこっち向いて?」
「な、何でだよ」
「いーから!」
「…………………。」
俺よりも背高いくせになんでだろうなぁ…
こんなにも可愛く感じるのは
「うりゃっ!」
「うわっ!何すんだよっ」
もともとあんまり整えてなかった髪をぐしゃぐしゃにかき回した。アーサーは最初は抵抗していたがだんだんと大人しくなっていった。
「………満足した?アーサー」
アーサーの顔を覗き込みながら聞く。
すると、我に返ったように後ずさりをする。
「髪が乱れたじゃねーか!
あと!別に嬉しいとか思ってねぇからな!」
そう言うとスタスタと部屋の中に入って行ってしまった。
「なー、なお!俺も今アーサーにやってた事やって欲しいんだぞ!」
「ふふ、後でね」
「ぶー、ケチなんだぞっ」
「ほらアーサーも部屋んなかに入っちゃったし、さっさと家具とか設置しようか!」
「んじゃあ、それが終わったらしてくれよ?絶対だからな!」
「はいはい」
そして俺たちは2人がこれからこの部屋に住む為に家具や日用品、服などを設置した。
一気に置いているものが増えたが、それが1人じゃないんだなぁと実感する事もできてとても嬉しく思った。
設置が終わると待ってましたとばかりにアルが来たのでわしゃわしゃしてあげた。
なんて言うかアルって弟ってのもだけど大型犬って感じ。でアーサーもアルも構ってあげたくなってしまう。