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分からなくても伝われば

第10章 お部屋にて


「じゃあ私、自分の部屋戻るんで」

 私は立ち上がるとそう言って階段を上ろうとした。

「え、上行くの?もう?」

 相葉さんにそう言われたけど、気にしない。もう? ってなんだよ。意味が分からんぜよ。

「私は二宮さんの相手をしてて疲れたんです」

 適当にそうつぶやくと、二宮さんの舌打ちが聞こえた。 
 せ、背中に冷たいものが……二宮さんの視線か。怖いなあ、アイドル怖いなあ!
 こんなに裏があるだなんて、知らなかったよ! 今度誰かにばらしたろか。
 ……うん、やめておこう。
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