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分からなくても伝われば

第5章 メンバーside


(櫻井さん2)




「えっと、聖星ちゃん?」

 さっきから呼んでいるのにずっと無視。何考えてるのか分からねえ。

「はい、なんでしょうか」

 うーん、なんか変な感じがすると思ったら、敬語だな。

「そのさ、敬語やめない?」

 すぐに返事が返ってきた。

「嫌です」

「即答だ」

 そんなに嫌がることはなくない? どうしたんだ、聖星ちゃん。

「櫻井翔!」

「えっはい。そうですけど」

 思わず敬語になった。だって、ほら。突然指差されて自分の名前フルで叫ばれたら、驚くでしょ。
 まあ、覚えてくれたんだろうからそれはそれでいいけど。
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