第1章 日常と非日常
コンコン。
「失礼します」
ガチャッ、パタン。
「何かご用ですか?」
「率直に言おう、君は明日からE組落ちだ」
君…前までは工藤くん、だったのに。
「え?」
「聞こえなかったのか?お前はE組落ちだと言ってるんだ」
君から、お前に変わる。
「理由はなんですか?」
「E組と仲良くしているからだ」
「…そうですか」
言い返しそうになるのをグッと堪える。
そんなことをしたら、自分が抑えられなくなってしまう。
ここの教師は、皆 “ 同じ ” なのだ。
期待するだけ、求めるだけムダ。
生徒のことを、出世する為の手駒としか思っていない人達なんだ。
「明日から旧校舎へ行け」
「はい」