第2章 そして好きになる
ふああ~眠い……。いやーそれにしても、なんて幸せなんだ。前の席が紗有ちゃんで、右隣が葉山君。
一生この学校にいたい。葉山君、ほんとにかっこいいんだけど。横顔やばいよぉ~イケボだよぉ~。
って、わ、私変態? キモいかな!?
休み時間になると、私は真っ先に紗有ちゃんのところに駆け寄った。
「ねえ紗有ちゃん。葉山君のこと……お、教えてくれないかな」
「え!? 葉山!? あいつはね……うーん、まあいいやつだよ」
「そっかあ、いい人なんだ」
やっぱりいい人なんだね。だからきっとモテるんだ。
「葉山はね、いつも人のこと考えれる奴なんだ。顔があれだからメンクイな子が食いついてるけど、中身も相当いいんだよ? 気づかずに好きになってる人が多いけどね」
ほあ~そうなんだ。てか、紗有ちゃんさすがだなぁ。よく分かってる。幼馴染とかなのかな。
「紗有ちゃんと葉山君って、幼馴染とか?」
私がそう聞くと、紗有ちゃんはすごく驚いて私を凝視した。
「えっ、何で分かったの!? もしかして、浅野ちゃんってエスパー?」
「違うよ! なんとなくわかるの~」
エスパーとか……紗有ちゃん、やっぱ面白いなぁ。そんなことを私が考えていると、紗有ちゃんはぼそっとつぶやいた。
「女の勘ってやつか……」
だから、違うよ! へんな言い方しないでください!